おしゃぶりの使用期間とおしゃぶりがもたらすデメリットについて現役歯科衛生士が解説していきます。
おしゃぶりは、多くの親が赤ちゃんを落ち着かせるために利用する便利なアイテムですが、その使用期間や影響については議論があります。おしゃぶりには、子どもに安心感を与えるメリットがありますが、長期間の使用にはデメリットも存在します。本記事では、おしゃぶりを使って良い期間や、そのデメリットについて詳しく解説します。
おしゃぶりの使用期間
おしゃぶりの使用期間は、一般的には生後6ヶ月から12ヶ月までが推奨されています。この時期は、赤ちゃんが自分で自分を落ち着ける能力を育てるための重要な時期でもあります。しかし、具体的な使用期間は子どもによって異なり、個々の発達に応じて調整することが重要です。
おしゃぶりは、必要に応じて使い、徐々に使用頻度を減らしていくことが理想です。多くの専門家は、2歳頃にはおしゃぶりをやめることを推奨しています。この時期までに、子どもは他の方法で自分を慰めたり、情緒を安定させたりする能力を身につけることが期待されます。
おしゃぶりのデメリット
1. 歯並びへの影響
おしゃぶりを長期間使用すると、歯並びや噛み合わせに悪影響を与える可能性があります。特に、前歯が突き出るなどの不正咬合が見られることがあります。これにより、将来的に矯正治療が必要になる場合もあります。
2. 口腔内の健康リスク
おしゃぶりが口に入ることで、バイ菌やウイルスが口腔内に入り込むリスクが高まります。特に、赤ちゃんの免疫力が未発達なため、虫歯や口腔感染症を引き起こす可能性があります。
3. 言語発達への影響
おしゃぶりを長期間使うと、言語発達に遅れが生じることがあります。おしゃぶりをくわえている時間が長いと、発音の練習が妨げられ、言葉を発する機会が減るためです。言語の獲得には、親とのコミュニケーションが重要ですが、おしゃぶりがその妨げとなることがあります。
4. 社会的な影響
幼い子どもが保育園や幼稚園に通う際、おしゃぶりを持っていると、他の子どもたちとの関係に影響を与えることがあります。指しゃぶりやおしゃぶりをしていると、からかわれることがあるため、子どもの自尊心に影響を与える可能性があります。
5. 習慣化のリスク
おしゃぶりは、安心感を得るための道具として使われることが多いため、依存症のような状態になることがあります。子どもがストレスや不安を感じるたびにおしゃぶりに頼るようになると、自己調整能力が育たない可能性があります。
6. 母乳育児への影響
おしゃぶりを早期に使用することで、母乳育児が妨げられることもあります。赤ちゃんが乳首を吸うことに慣れてしまうと、母乳を吸う力が弱くなることがあります。このため、授乳のリズムが崩れる場合があるため注意が必要です。
まとめ
おしゃぶりは、赤ちゃんにとって安心感を提供する一方で、長期間の使用には多くのデメリットが伴います。歯並びや口腔内の健康、言語発達に影響を与える可能性があるため、適切な使用期間を見極めることが重要です。一般的には、1歳半から2歳頃にはおしゃぶりをやめることが推奨されており、早期の段階で使用を減らしていくことが望ましいです。親は、子どもが自己慰安の方法を見つけられるよう、支援しつつ、おしゃぶりの使用を見守ることが大切です。